不動産一括査定とは、複数の不動産会社にまとめて査定依頼ができる、無料のWEBサービスです。
不動産一括査定サイトを利用すれば、手軽に複数の不動産運営会社に査定を申し込むことができ、査定結果をメールで受け取れるので、簡単に売却価格を比較し検討できます。マンションや土地などの不動産売却には欠かせないおすすめのサービスです。
しかし、これから初めて不動産を売却する人のなかには、不動産一括査定サイトの使い方やメリットなどがわからず、利用をためらっている人もいるかもしれません。
そこで今回は、不動産一括サイトの仕組みやメリット、注意点について解説します。上手に活用して、納得のいく金額で不動産を売却しましょう。
不動産一括査定とは?不動産を高く売りたいなら「不動産一括査定」は必須
あなたが保有する不動産の市場価値を知りたい、または売りたいときは、不動産一括査定サービスの公式サイトの利用がおすすめです。
不動産一括査定サイトを利用すると、一度に複数社の見積もりを出せるため、できるだけ高く売りたいならば必須のサービスといえるでしょう。
不動産を売るには、プロである不動産業者と契約を結び、売却の実務を任せるのが一般的ですが、不動産業者を一軒一軒回って相談するには時間がかかります。
たとえば、宝石や家電などをできるだけ高く売るために、複数の買い取り店を回り歩く売却活動に疲れてしまった経験はないでしょうか?
「買い取り店が一か所に集まればいいのに…」と思ったことがある人は多くいると思います。
これを可能にしたのが、インターネット上(オンライン)で利用者数が増えている「不動産一括査定サイト」です。
今では多くの不動産用の一括査定サイトが登場しており、不動産の売却シーンでは必ずといっていいほど利用されています。
ただし、不動産の場合、自動車など他の一括査定売却サービスとは多少仕組みが異なります。次の項で、不動産一括査定サイトの仕組みや使い方を解説します。
不動産一括査定の仕組みを解説
不動産の一括査定を利用するにあたり最初に行うことは、家屋や土地など不動産の種類や、その不動産が存在する地域、築年数などの基本的な情報の入力です。
そして、メールアドレスや電話番号など、不動産業者に伝える連絡先を入力して、サイト側に送信します。
最初にあなたがやることはこれだけです。
先述の宝石や家電の売却でいえば、「こんな商品があるんですけど」と、売りたい物を複数業者に開示した状態です。
不動産一括査定サイト側は、当該サイトに参加している複数の掲載会社に、入力された物件の情報を送信します。そして、これを見た各業者が、あなたに物件の査定額を送信します。
以上が不動産一括査定の基本的な仕組みです。
ただし、この段階の査定は「机上査定」あるいは「簡易査定」と呼ばれ、物件の基本的な情報から割り出した概算の査定額です。対象物件を直に目視して調査していないので、見積もりの精度としては高くありません。
そこで、ここからさらに目ぼしい業者をいくつか絞って、その業者に「訪問査定」をお願いすることになります。
訪問査定では物件を見てもらい、実際の状態を目視してもらうことでより詳しい査定を受けることができます。さらに、各不動産業者との相性のチェックや、信頼性も確認できます。
そして、あなたのニーズに沿った業者を選定し、売却実務をお願いする業者と仲介契約を結んだら、一連の流れは完了です。
基本的に、不動産一括査定サービスは無料で利用できます。
苦労せずに複数の業者に一気に見積もりを取ってもらうことができる、画期的な仕組みといえるでしょう。
不動産一括査定のメリット
不動産一括査定を利用するメリットを紹介します。
- 無料で利用でき手間がかからない
- 相場の確認だけでもOK
- 複数業者の査定や信頼性を比較検討できる
一括査定は無料で利用でき手間がかからない
上述したとおり、不動産一括査定サイト最大の利点は、自分で歩き回る必要がないことです。パソコンやスマホがあれば、いつでもどこでも一括査定が可能です。
忙しい会社員でも、お昼の空いた時間や通勤中の電車の中からでも依頼できます。
売却相場の確認だけでもOK
「まだ売るかどうかは未定だけど、自分が持っている不動産の市場価格を知りたい」という要望は多いもの。
机上査定だけでも一定の相場は把握できますが、訪問査定をしてもらえば正確な市場価値がわかります。
実際に売却するかは査定後に考えればいいことなので、必ずしもそのまま不動産業者と仲介契約まで結ぶ必要はありません。
複数業者の査定や信頼性を比較検討できる
不動産を高く売るには、できるだけ多くの業者から見積もりを取ることが必須です。
一括査定では多くの業者からアプローチを受けることができるので、提示された査定額や、担当者との相性・信頼性を比べることができます。
また、「査定額は高いけど質問に的確に答えてくれない」「A社はハキハキと答えてくれたがB社はどうも自信がなさそうだ」など、訪問査定担当者を比較することもできます。
パートナーとなる担当者との相性は大切ですので、これについてもじっくりと比較しましょう。
不動産一括査定のデメリット
不動産一括査定サイトには良い面もありますが、一定のデメリットもあります。
- 正しい査定額の判断が難しい
- 業者からの電話などの連絡に対応しなければならない
- 登録している業者が限られる
それぞれ詳しく解説します。
正しい査定額の判断が難しい
不動産の査定が自動車などの買い取り査定と違うのは、不動産の場合、実際の売買金額は市場で買い手を見つけて交渉しながら決めるので、あくまで「市場で売れそうな予想価格」という位置づけであることです。
不動産業者自体が直接買い取ることもありますが、市場価格より相当値引かれて買い取られるので通常は検討対象にはならず、市場で買い手を見つけるのが不動産売却の基本です。
各不動産業者は簡易査定、訪問査定と、各段階で予想適正価格となる査定額を提示しますが、通常その数字は各社でバラつきが出ます。
査定額は各業者の経験や保有する顧客情報などによっても左右されるので、バラつきが出るのは当然ともいえるでしょう。
なかには、高額売却査定を提示して「他社よりも高く売れます」とアピールする業者がいるかもしれません。しかし、仲介契約欲しさにそのような根拠のない査定額を提示する業者もいるので注意が必要です。
また、売却が成功すれば不動産業者はあなたから手数料をもらえるので、誘因のために高額査定を出す業者がいることを覚えておく必要があります。
このリスクを回避するためにも、できるだけ多くの業者から見積もりを取り、それらの平均よりも不自然に高い希望査定額を出す業者には査定の根拠や売却実績を詳しく聞きましょう。信用できそうでなければ、依頼しないのが賢明です。
逆に、平均よりもかなり低い査定額を出す業者は、対象不動産の扱いに慣れていないと考えられます。
不動産業者といっても、扱う不動産の種類などによって得手不得手があるので、経験が少ない種類の不動産は低額の査定になることもあります。
いずれにしても、各社が出してくる査定額については「なぜその数字になるのか」という根拠を聞いてみる必要があります。
自信がある業者であれば、過去の実務経験をもとに同じような売却物件の売却例を引き合いに出しながら上手に説明してくれるでしょう。
業者からの電話などの連絡に対応しなければならない
一括査定サービスを利用すると、不動産業者から査定額お知らせの連絡が入ります。
不動産を高く売るには、できるだけ多くの業者から見積もりを取る必要がありますが、その分多くの業者から連絡を受けることになるので、対応の手間がかかります。
メールや電話などで対応することになりますが、営業マンにしつこく営業されることもあるようです。
業者側も仕事でやっているので、多少のしつこさは受け流しましょう。あまりにもしつこい場合は毅然とした態度で臨み、押し切られないようにしてください。
断る際は、「他社と比較したうえで決めます」「売るかどうかはこれから検討します」などとはっきり伝えましょう。
「ライフルホームズ」では匿名での不動産査定ができ、見比べてみて、いいなと思った不動産業者に個人情報を開示する仕組みとなっています。
しかし、匿名の場合は書類上の物件情報だけで査定するので、正確な金額ではない可能性があります。より正確な査定が知りたい場合は、「イエウール」や「ソニー不動産」などがおすすめです。
登録している不動産業者が限られる
不動産一括査定サイトは、そのサイトに登録している業者に一括で見積もってもらえる便利なサービスですが、逆にいえば、登録していない不動産業者の査定は受けられないということです。
不動産一括査定サイトに登録している不動産業者は一定の費用をサイト側に支払う必要があり、この費用によりサイトは成り立っています。よって、費用の支払いに抵抗がある業者や一括査定サイトに登録しなくても特に困らない業者は登録せず、それらの業者の査定は受けられません。
不動産業者は実際のところ、有名な大企業以外にも中小の業者がたくさんあり、地の利と経験を活かして売却仲介を行う業者もいます。
あなたが保有する不動産の扱いが上手い業者がいたとしても、その業者が一括査定サイトに参加していなければ、接触する機会を逃すことになります。
ただ、昨今では不動産の売却に不動産一括査定サイトを利用することがごく一般的なので、多くの業者が営業の機会を逃さないために登録しているようです。
よって、この点を危惧する必要はないでしょう。
それよりも、多くの業者から無料で見積もりを取って比較できるメリットの方がはるかに上回ります。
不動産査定サイトを利用する注意点
物件を売る気持ちがすでに固まっていて、訪問査定を受けるという段階では、物件そのものだけでなく、それを取り巻く状況も不動産業者に伝えておく姿勢が必要です。
例えば、近所とトラブルが発生し嫌がらせを受けている、周辺の騒音に悩まされているといった事情がある場合は、それらも訪問査定の担当者に正直に話しましょう。
軽度のものであれば買い主に説明する必要はない場合もありますが、「こんな事情があるならば普通は購入しない」レベルの事情を隠して売買取引をすると、後で責任を追及される恐れがあります。
気になることは不動産業者にその旨を話し、「それくらいならわざわざ買い手に通知しなくても大丈夫」、あるいは「それは一応話しておいた方が良い」といった判断を仰ぎましょう。
不動産業者が事情を総合的に勘案し、買い手候補に説明した方が良いのか、しなくても良いのか、判断してくれます。
不動産一括査定はどこがいいのかまとめ
今回は不動産を保有するオーナーに向けて、「物件にどれくらいの価値があるのか知りたい」、「できるだけ高く売りたい」という場合に便利な、不動産一括査定の方法について紹介しました。
数多くある不動産業者を個別に訪問して相談するのは、大変な手間と時間がかかります。しかし、インターネット上(オンライン)の一括査定サイトを利用すれば、一度にまとめて複数社に査定依頼を出すことができます。
不動産一括査定サイトは無料で利用でき、時間や場所を選ばず複数業者の見積もりを取って比較することができるので、利用しない手はありません。
ただし、なかには売買契約欲しさから不当に高い査定額を提示してくる業者もいるので、査定額が高いほど良いというわけではないことを念頭に置いたうえで利用してください。
売ることが決まっている場合は訪問査定まで依頼することになるので、査定額の根拠や販売力、業者の信頼性もチェックしながら進めましょう。