注文住宅を検討している方にとって、「坪単価」は非常に気になるポイントです。注文住宅の坪単価は、設計・建築を依頼するハウスメーカー・工務店によって異なるため、平均や相場を知っておくと検討しやすくなるでしょう。
この記事では、注文住宅の坪単価について、ハウスメーカーと工務店の違い、構造・地域の違いを比較しながら紹介します。
坪単価とは、1坪(約3.306㎡)あたりの建築費を示す指標です。
建物の本体価格を延床面積で割って算出した金額で、注文住宅を検討する際、参考にされることが多くなっています。
ただし、坪単価には外装工事費や設備費用などは含まれていません。
注文住宅にかかる費用総額ではないため、あくまでも参考にするのみにしてください。
注文住宅の平均的な坪単価は100〜120万円です。
土地の価格や物価水準が高い首都圏では、坪単価が他地域よりも高くなる傾向にあります。
【注文住宅の平均坪単価(2023年)】
地域 | 平均建設費 | 平均面積(㎡・坪) | 平均坪単価 |
全国 | 3,861.1万円 | 119.5㎡・約36.1坪 | 106.7万円 |
首都圏 | 4190.2万円 | 120.4㎡・約36.4坪 | 115.0万円 |
近畿圏 | 4,142.1万円 | 123.2㎡・約37.3坪 | 111.0万円 |
東海圏 | 3,893.4万円 | 121.0㎡・約36.6坪 | 106.1万円 |
その他 | 3,623.8万円 | 118.0㎡・約35.7坪 | 101.4万円 |
出典:2023年度「フラット35利用者調査」
※平均坪単価は平均建設費÷平均住宅面積(㎡)で算出(小数点第2位を切り捨て)
※1坪=3.306 ㎡で算出
まずは、自分が建てたい地域の平均坪単価を確認しましょう。
注文住宅の坪単価は、土地の価格や物価水準以外に、施工会社の数も影響すると言われています。
ハウスメーカーの坪単価は、一般的に90〜110万円程度です。
大手のハウスメーカーは、安定した品質とサービスを提供するため、坪単価は高い傾向にあります。
特に、全国展開する大手ハウスメーカーは、テレビCMやモデルハウスの運営など広告宣伝に多額の費用をかけることが多く、その分が坪単価に上乗せされるケースも多いです。
一方で、中堅のハウスメーカーは比較的リーズナブルな坪単価を提示する場合もあります。
注文住宅の品質を重視しつつも予算を抑えたい場合は、ハウスメーカーの坪単価や提供するサービス、保証内容をよく比較することが重要です。
工務店の坪単価は、70〜100万円程度が目安です。
地元密着型の工務店は、その土地の気候や特性に適した設計が得意で、細かい要望に対応しやすいのが特徴です。
大規模な広告宣伝費を抑えることで、比較的リーズナブルな坪単価を実現しています。住み心地やデザインにこだわった工務店を低価格で建てたい方にとって、魅力的な選択肢と言えるでしょう。
ただし、品質・サービスはハウスメーカーのように一律ではなく、工務店ごとにバラつきがあります。
施工実績や評判、アフターフォロー、保証内容は、契約前にしっかりと確認しておきましょう。
注文住宅の坪単価は、家の構造によっても異なります。
代表的な構造別・地域別の平均坪単価は、以下の通りです。
地域 | 木造 | 鉄骨鉄筋コンクリート造 | 鉄筋コンクリート造 | 鉄骨造 |
全国 | 68.4万円 | 105.1万円 | 100.5万円 | 97.1万円 |
東京都 | 71.7万円 | 115.3万円 | 127.2万円 | 117.0万円 |
大阪府 | 68.4万円 | 116.7万円 | 100.5万円 | 97.1万円 |
愛知県 | 68.4万円 | 105.1万円 | 100.5万円 | 97.1万円 |
岐阜県 | 70.4万円 | 105.1万円 | 100.5万円 | 97.1万円 |
福岡県 | 68.4万円 | 105.1万円 | 100.5万円 | 98.9万円 |
木造住宅は柱や梁に木材を使用した構造で、鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄筋コンクリート造の住宅と比較して、断熱性や吸湿性に優れているという特徴があります。
夏は涼しく冬は暖かく過ごせるため、快適な室内環境を実現しやすいです。
木材は他の建材に比べて比較的安価なため、建築費を抑えられるのも魅力です。
木造住宅の坪単価は全国平均で68.4万円、地域による坪単価の差が少ないのも特徴です。
鉄骨鉄筋コンクリート造は、鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた構造です。
木造住宅と比較すると、耐震性や耐火性、遮音性に優れているという特徴があり、特に都市部での人気が高いです。
鉄骨鉄筋コンクリート住宅の坪単価は、全国平均で105.1万円です。
首都圏や大阪ではさらに高くなる傾向にあります。
鉄筋コンクリート造は、鉄筋とコンクリートを組み合わせた強固な建築構造です。
耐震性や耐火性、遮音性が高く、法定耐用年数も長いという特徴があります。
全国平均の坪単価は100.5万円程度で、特に東京では127.2万円と高めです。耐久性と静寂性を求める方には、鉄筋コンクリート造の住宅が適しています。
鉄骨造とは、建物の骨組みに鉄骨を用いた構造の建築物です。
間取りの自由度が高く、デザイン性のある住宅を建てやすいのが特徴です。
鉄骨住宅の坪単価は、全国平均で97.1万円です。
東京では、117万円が平均坪単価となっています。
注文住宅の坪単価は、家づくりの予算を決める際に役立つ指標です。
しかし、坪単価だけで実際にかかる費用総額を見積もることはできません。
坪単価だけを見て判断をしてしまうと、予想外の追加費用が発生し、予算を大幅に超えてしまう可能性もあります。
そのため、注文住宅の坪単価を見るときは、以下の点に注意しましょう。
注文住宅の坪単価は、「建築費用÷延床面積」で計算するのが一般的です。
ただし、「延床面積」ではなく「施工面積」で算出している建築業者もあるため、注意しておきましょう。
延床面積 | 建物の各階の床面積を合計したもの 建築基準法に基づく明確な基準がある |
施工面積 | 業者により定義が異なる バルコニーや玄関ポーチも含まれるケースが多い |
施工面積を基準にすると、延床面積を基準にした坪単価よりも低く見えることがあります。
建築費用の見積もりに差が出るため、複数の建築業者の見積もりを比較する際、どの基準を用いているかは必ず確認したいポイントです。
坪単価は建物本体の工事費用を基に計算されており、外構工事や解体費用、諸費用などは含まれていません。
坪単価だけで業者やプランを決めてしまうと、最終的に予算オーバーになってしまう可能性があるので注意しましょう。
注文住宅を建てる際に、建物の本体価格以外にかかる費用は、以下の通りです。
解体工事費用
外構工事費用
基礎工事費用
登記費用
住宅ローン手数料
火災・地震保険料
印紙代
引っ越し費用 など
正確な資金計画を立てるためには、すべての費用を含めた総予算を意識することが大切です。
必要に応じて、建築業者に詳細な見積もりを依頼しましょう。
坪単価は一律ではなく、選択するデザインや設備によっても大きく異なります。
注文住宅の坪単価に影響を与える主な要素は、以下の通りです。
キッチン・浴室のグレード
内装・外装用の建材
断熱性能
省エネ設備 など
注文住宅は、自由度が高い分、設備や内装・外装の選択が坪単価に直結します。
例えば、システムキッチンやユニットバスのブランドや素材、機能性が上がると坪単価も高くなります。
フローリングや壁紙、外壁などの材質と仕様はもちろん、エコキュート、太陽光発電などの設備を導入する場合は、坪単価が上がると考えておきましょう。
こだわりたい部分と削れる部分をしっかり見極めることで、予算内で満足度の高い住まいを実現できます。
注文住宅の坪単価は、家づくりの基本的な指標であり、初期の資金計画を立てる際に参考にしたい金額です。
ただし、注文住宅にかかる総費用を坪単価だけで見積もることはできません。
建築本体以外にもさまざまな費用が発生するため、無理のない家づくりをするためにも、細部まで確認して計画を立てることが重要です。
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